「引っ越してしまいましょう」 銭湯からの帰り路、わたしよりも背の低い母は突然そう言った。 ええ、どこにさ?と素っ頓狂な声を出してみたけれど、彼女はおどけてみせるわたしの声に反応するでもなく、夜空に浮かぶ真ん丸の月を見つめていた。彼女が突拍子…
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