村田沙耶香のユートピア展
原宿に行く機会があったから、その帰りに個展に行ってきた。
「村田沙耶香のユートピア 正常の構造と暴力 ダイアローグ デヴィット・シュリグリー=金氏徹平」て個展。
前に、Twitterで見かけたからこの夏訪れる候補の1つにあげていた。
期間限定の展覧会はいつも事後報告のような形でしか見つけられなかったから、期間中に見つけられたのがとても嬉しい。
けれど、場所は原宿で私の家からちょいと遠いし、面倒くささと引きこもり特有の外出萎縮病を発生し、辿り着けるか謎だった。
Gyreてビルの中でパンフレットを手にしたときは、もうそれだけで達成感。
よかった、ちゃんと来れた、安心安心。
真っ白い四角の部屋は息がつまったけれど、部屋に置かれた絵が窓の役割をしていたからすいすい見ることが出来た。
感想 : とてもとても面白かった!
1つ目の部屋には、村田沙耶香の絵と制作ノート、デヴィッド・シュリグリーの絵と金氏徹平の作品があった。
人のノートを見るのは背徳感あって好きだし、村田沙耶香のノートを見れてとても嬉しかった!
作家のノートを見れるなんてレアレアすぎて感謝ーて参拝しながらぐるぐるテーブルを回る。
ノートには「消滅世界」の設定と時間軸が書かれていた。
村田沙耶香は作品の登場人物の似顔絵をよく描くと言っているのは聞いていたけれど、その絵を見たのはたぶん初めて。
デフォルメされた女の子の絵はかわいかったのに、「子どもちゃん」だけはかわいいような禍禍しいような、気持ち悪さを感じた。
そんな夜の夢↓
私を真ん中にして2人の「子どもちゃん」と一緒に手をつなぎながら椅子に座った。
「子どもちゃん」は白いテーブルクロスの上にある料理(コロッケとか、ビーフシチュー)を手掴みして、口の中にいれてくれる。
お皿をいくら空っぽにしても料理はいくらでも出てきて「子どもちゃん」は笑いながら私の口にご飯をつめこんでく。
怖。うなされたわ、
夢の中で「子どもちゃん」たちを怖がらなくてよかったー。
2つ目の部屋には、デヴィッド・シュリグリーと金氏徹平の作品。絵もあっけどオブジェが中心。
このオブジェがめちゃくちゃ面白かった。
骸骨の模型があったのだけど、ニョロニョロとかのフィギアがくっついていた。
遠目から観たら骸骨だーて思ったのに、近くで見たらぐちゃぐちゃの人間もどき。
ホムンクルス的骸骨。
別にちゃんとした骨で組み立てなくても人間の形にはなるんだね。
それなら、私は耳かきやペンライトを指にくっつけたいな。それで園田のぬいぐるみを胴にしたい。抱き心地抜群だもん。
ボンドとか白いセメントを上からぶっかけたみたいな造形物もドラえもんとか人形のフィギアとかで組み立てられてた。
面白いな、こんな身の回りのもので気味の悪いもの作れるのかー。
私もゴミをかき集めてタワーでも作ろうて決めた。
3つ目の部屋はぽったんぽったんて音が鳴るから何事かと思っていたら、幽霊船が展示されていた。
それと骸骨の模型。
コンビニ人間の表紙の映像と絵も数点。
ここで気付き。
私はコンビニ人間の表紙にある建物の中に入っていたこと。
したら、ちょっと気味の悪さ。
ホムンクルスの骸骨も、幽霊船も、展示されてる作品はみんな人間の形を構成しているもの。
形がちょっと整ってれば中身なんでも良いんだよ、て思ったりしたり。
ご、ごうまん~~。
気味悪くなってさっさと退散してしまった。
廊下には村田沙耶香の学生時代描いた絵やコラージュが飾られていた。
コラージュがかっこよすぎて痺れ。
おしゃれだな。
現代アート初心者で、解説も無しだったからわからなさ満点だったけど、最高っに面白かった。し、絵もはっっとするほどかっこよかった。
中でも、象の絵がとても好き。
あんなポスターがほしい。
絵の中に
「ELEPHANTS NEVER FORGET
BUT THEY WOULD LIKE TO FORGET」
て英語があった。
この言葉とても好き。
忘れたい思い出はめちゃくちゃある。
けど、そう簡単に忘れられなくてめちゃくちゃ泣く。
それでも象はそんな姿見せずに生きている、とかかっこよすぎるし切なすぎる。
怒ってないけど、許してもいない。
ただ忘れたいと思っているだけ。
諦めでもないこの向き合い方は何て言えばいいのかしら、
私もそんな風に思えることてできるのかしら、
て思ったり。
楽しかったな。
久々、外出て良かった。